minimalzuhの見解
測定誤差は5~7mm。計測は1mm刻みで
私が学生の頃は、5mm刻みで周径を測るように教わった。
しかし、PT学生が測る下肢周径の測定誤差は5~7mmあるらしい(渕上, 理学療法学, 1990)。
5mm刻みでは測定誤差はもっと大きくなりそうなので、私は1mm刻みで測定している。
あの頃の教員は、何をもって5mm刻みを推奨したのだろうか。
筋量の評価には補助的に
下肢周径の臨床的な意義として、
・膝蓋骨直上:関節腫脹の程度
・直上より5~10cm:内側広筋と外側広筋の大きさ
・15cm以上:大腿全体の筋群の大きさ
と言われている(松澤 正, 理学療法評価学, 2004)。
周径と骨格筋量は確かに相関するものの、脂肪など軟部組織の影響も大きい(甲斐, 理学療法科学, 2008)ため、あくまで補助的な評価になるのではないだろうか。
表:参考文献(甲斐, 理学療法科学, 2008)より一部改変
実習などで周径を計測して統合と解釈をする場合は、下記のようになるのだろうか。
症例:下肢骨折の術後において免荷期間があり、MMT 4/5 大腿周径 42.5/ 46.7
「MMTの結果から下肢筋力に左右差を認めた。また、大腿周径の結果から、免荷期間により廃用性の筋萎縮が生じ、外側広筋の筋volume低下、筋力低下が生じていると考える。」
浮腫に対する治療の効果判定には有用
浮腫に対する治療(リンパ管吻合術など)のmain outcomeは、浮腫の程度だ。
治療の効果判定に下肢周径を用いることが、リンパ浮腫診療ガイドライン2014年版にて記載されている。
ちなみに、周径を測る場所に関しては、以下の図の通りである。
サルコペニアの診断には必要
日本人高齢者に合うサルコペニアの、簡易基準案では下腿周径の評価が必要。
いくつか条件があるが、下腿周径30cm未満が基準。
参考:下方浩史, 日本老年医学会雑誌, 2012
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