理学療法士の海馬

新人理学療法士だった僕に伝えたいこと

【論文紹介】神経疾患患者に対する長期のFESは,皮質脊髄路の興奮性を高める

Does functional electrical stimulation for foot drop strengthen corticospinal connections? 

Everaert DG, Neurorehabil Neural Repair, 2010.

 

P: 10名の非進行性疾患(脳卒中など)と,26名の進行性疾患(多発性硬化症など)を有する患者.

 

I: 前脛骨筋に対する機能的電気刺激(FES)を用いて,3~12ヶ月歩行を行う.

 

C: FES使用前と比較.

 

O:

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Everraert DG, 2010:abstractを元に著者作成

*MEP: motor evoked potential  MVC: maximum voluntary contraction  M max: M波の最大値

 

memo

皮質脊髄路のうち,一次運動野の介在ニューロン〜α運動ニューロンに達するまでの間で,神経細胞の興奮性増大や伝達効率の向上が起こったことが推察される(MEPが上がり,M maxがno changeのため).また,これにより随意収縮量の増大と,歩行速度の向上を認めた可能性がある.

・abstractしか取れなかったため,詳細な方法は不明.

・回復期に勤めていた時に,装具よりもFESの方が求心性の入力が増えるため,治療効果が高いのでは?と考えたことがあったなー.