ゲートコントロール理論(以下、GCT)は、MelzackとWallが1965年にScience誌に発表した痛みの制御に関する学説です。
先ず、メカニカルストレスを末梢組織が感知してから、痛みとして認識するには、以下のような経路をたどります。
自由神経終末(皮膚下)→Aδ線維orC線維→後根神経節→脊髄後角→視床→体側の第一次体性感覚野→痛みの認知
簡単には書きましたが、神経経路は単純なon/ offの話ではなく、実際には介在ニューロンにより様々な修飾を受けます。
GCTは、脊髄後角での痛み伝達の修飾の話になります。
以下は、GCTを説明する際によく用いられる図です。
*赤丸:促通 青丸:抑制
図を用いて、GCTを説明すると、以下の様になります。
・Aδ・C線維は痛みの情報を伝達する
・SGはAδ・C線維からの痛みの情報を抑制する
・SGは、Aβ線維からの情報により、刺激を受ける
・Aβは触覚や圧覚を伝達する
・つまり、触覚や圧覚による刺激は、痛みを抑制する
ちなみに図だけをみると、SGにはAβ・Aδ・C線維に対して抑制性の介在ニューロンしか存在しないように見えます。
しかし、実際には促通に働く介在ニューロンが70%、抑制に働く介在ニューロンは30%と言われています。
便宜上、図を簡単に書いていますが、実際にはもっと複雑みたいです。
今回GCTを勉強するに当たって、土井先生の総説が勉強になりました。もっと深く知りたい方は、是非読んでみてください。